二度とない人生を⑰

Release: 2025/11/25 Update: 2025/11/25

わたくしには、なんど聞いても飽きぬ話が三つある。一つは(地蜂の)蜂の子とりの話。次はやまめ釣りの話。そして最後は富山の薬屋の新規開拓の苦心談。

この話に一番の興味を示して下さったのが、京大教授の幇芳賀徹教授でした。残念ながら私は、蜂の子とやまめの(山女)釣りについては、十分な説明ができません。ただ蜂の子は、すずめばちの幼虫で蛋白質・脂肪に富み、塩で炒れば大変美味しいものだそうです。やまめは山間の谷川に住む淡水魚で、これまた美味しい釣り魚として珍重されております。富山の薬屋さんは、訪問販売の先駆者とも言えるので、一定の衣裳に風呂敷包みを背負い、謙虚で礼儀正しく、拙宅にもよく訪ねて来たので苦心のほどは察しがつきます。

どんなことにも好奇心を示される先生でしたが、特に土くさい庶民的な苦労話には興味を抱かれました。やはり小作人百姓の子として養育せられたその環境と土地柄にも大いに関係がありましょう。

自分自身、なんど聞いても飽きない話があるだろうか――そう考えると、意外と見つからないものです。 強いて言えば、やはり森信三先生のお話でしょう。 同じ言葉を何度聞いても、その時々の自分の状態によって響き方が変わり、新たな気づきを得ることができます。

特に、寺田一清先生が要約・解説された本は、自分にとってとても読みやすく、心にすっと入ってきます。 何度読んでも飽きることがなく、その都度、少しずつ理解が深まるように感じます。

本当は、のめりこむほどに好きになれる人やものを見つけたいのですが、なかなか簡単なことではありません。 どこかに“フィルター”がかかっていて、素直に心を開けない自分がいるのです。 素直に聞くということ、そして素直に受けとめるということ―― それができる自分をどうやって育てていけるのか。 これからの大きな課題だと思います。

#心魂にひびく言葉 #森信三 #寺田一清

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