仁の不仁に勝つは、猶ほ水の火に勝つがごとし|9月3日のことです。

Release: 2018/09/03 Update: 2018/09/03

仁の不仁に勝つは、猶ほ水の火に勝つがごとし

仁の不仁に勝つは、猶ほ水の火に勝つがごとし。今の仁を為す者は、猶ほ一杯の水を以て一車薪の火を救ふがごときなり。熄まざれば則ち之れを水は火に勝たずと謂ふ。此れ又不仁に与するの甚だしき者なり。亦終に必ず亡はんのみ。(告子上十八章)

じんのふじんにかつは、なおみずのひにかつがごとし。いまのじんなすものは、なおいっぱいのみずをもっていっしゃしんのひをすくうがごときなり。やまざればすなわちこれをみずはひにかたずという。これまたふじんにくみするのはなはだしきものなり。またついにかならずうしなわんのみ。(こくしかみじゅうはっしょう)

【訳】
仁が不仁に勝つには、ちょうど水が火に勝つようなものである。ところが、今の仁を行う者は、わずか盃一杯くらいの水で、車いっぱいに積んだ薪の火をけそうとするようなものである(それでは火消えるわけがない)。そして、消えなければ、水は火に勝てない、すなわち仁は不仁に勝てないものと決めてしまう。これでは(不仁に打ち勝つどころか)、不仁に味方するも甚だしい者というべきである。このような人は、いずれその少しばかりの仁もなくしてしまうことであろう。

〇松陰は、「大志ある者は、この章を日夜暗唱して志を励ますべきである。我が国を興し盛んにし、迫り来る諸外国を打ち破るのは仁であり、これを妨げるものは不仁である。孟子のいうように、仁は不仁に必ず勝つ。これを拝読する者はしっかり努力していただきたい」と記している。

9月3日、孟子一日一言の言葉です。

この言葉が幕末の長州の力となっていったんでしょうか。

力強さを感じます。

仁は必ず勝つと信じること。疑わないこと。

強い思いだけが世の中を動かしていくんですね。

今日も一日がんばります。

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