以て往(ゆ)くべく、以て返り難きを挂と曰う。挂形は、敵に備え無ければ出でてこれに勝つ。|5月21日
Release: 2020/05/21 Update: 2020/05/21
以て往(ゆ)くべく、以て返り難きを挂と曰う。挂形は、敵に備え無ければ出でてこれに勝つ。
可以往。難以返曰挂。挂形者、敵無備出而勝之。(敵若有備出而不勝、難以返不利。)
「行くことはできるが、引き返すことが難しい地形を挂形という。こういう地形では、敵に備えなければ出撃すれば勝つが、(敵に備えがあれば出撃しても勝利は望めず、しかも、撤退も困難なので不利である)」
密林、密草地帯や沼地で、行くことは行けるが引き返すのが難しいのが挂形。ここで敵が守りを固めているときは、攻めこまない方がよい。
かっこ内は、”敵若(も)し備えあらば出でて勝たず”、以て返り難くして不利なり。と訓ずる。
5月21日、孫子・呉子一日一言(兵法に学ぶ人と組織の動かし方365)の言葉です。
おはようございます。
挂形という言葉を始めて知りました。
入り組んだ地形での戦い方ですね。
商売であってもたくさんの事情が入りくんだものには手を出さない方が良いということでしょうか。
なにかとトラブルは多そうですから。
今日も一日がんばります。
関連コンテンツ
吏強く卒弱きを陥(かん)と曰う。(地形) 吏強卒弱曰陥。 「前文とは逆に、将校たちが強くて兵卒が弱い場合を、陥という」”陥”とは、窮地にはまりこむこと。ここでは、士気があがらず部隊が窮地に陥ることをさ…
我以て往(ゆ)くべく、彼以て来たるべきを通と曰(い)う。通形(つうけい)は、先ず高揚(こうよう)に居りて糧道(りょうどう)を利し。(地形) 我可以往、彼可以来曰通。通形者、先居高揚、利糧道、(以戦則利…
兵は詭道なり。(始計) 兵者詭道也。 「いくさとは、しょせん、だまし合いであるのだ」 ここの”兵”とは戦争とか戦闘という意味。 この言葉ほど物議をかもしているものはない。兵法書としては、この語はあまり…
故に夜戦には火鼓(かこ)を多くし、昼戦には旌旗(せいき)を多くす。人の耳目を変うる所以なり。(軍争) 故夜戦多火鼓、昼戦多旌旗。所以変人之耳目名也。 「そこで、夜の戦闘にはかがり火をたき、松明と鐘太鼓…
利を見て進まざるは、労るるなり。(行軍) 見利而不進者、労也。 「有利なものを見つけても、それを得ようと進んで来ないのは、敵が疲労しきっている証拠である」『孫子』の火攻篇に”利を非ざれば動かず”という…