第七夜 天道は休まず行われ、人道は努力しないと崩れる

天道というのは自然に行わる道であり、人道は人が立てた道なんだ。がんらい区別がはっきりしているのに、これを混同づるのは間違いだよ。
人道は人の力で努力し維持し、自然に流動する天道に押し流されないようにするもんだ。天道にまかせておけば堤防は崩れ、川は埋まり、橋は朽ち、家は立ち腐れになる。人道ではこの反対に、堤をつくり、川ざらいをし、橋を直し、屋根を葺いて雨のもらないようにする。
身の行いもまた、これと同様であり、天道では寝たければ寝、遊びたければ遊び、食いたければ食い、飲みたければ飲むというようにするんだが、人道では眠いのをがまんして働き、遊びたいのをこらえて勤め、食べたいうまいものを我慢し、飲みたい酒を控えて将来のために物を蓄える。これが人道というものなんだ。よく考えてみることだな。(続一)
「天道」と「人道」という対比が、まるで自然と文明の境界線を照らしているようで印象的でした。自然にまかせていれば、川は氾濫し、家は朽ちる――その流れに抗い、堤を築き、橋を直すのが「人道」であるという言葉には、日々の仕事や経営そのものの本質が込められていると感じます。
人は誰しも、楽をしたい、今を楽しみたいという自然の欲に流されがちです。しかし、人道とはそれを抑え、将来のために備え、働き、築いていく道。経営においても、現状に甘んじたり、偶然の好調に委ねるのではなく、意志と工夫をもって仕組みを整え、組織を育てていくことこそが、人道の実践ではないでしょうか。
「天にまかせず、地に足をつける」。この言葉を胸に、目の前の小さな修繕や備えを怠らず積み重ねていきたいと思いました。
今日もはここまでです。
ありがとうございます。
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