第六夜 人道は天道にしたがいながらも生活をよくするために人がつくった道

Release: 2025/05/05 Update: 2025/05/05

自然に行われるものを天理という。天理にしたがっているが、これに人為を加えて行うのを人道というんだ。

 人体はヤワだから風雨雪霜寒暑昼夜が循環して止むことのないこの世に生まれて、羽毛や鱗、殻に身を固めることもなく、飲食は一日も欠くことができないのに、爪や牙の武器もない。そこで頭を使って身を守るために便利な方法を講じないと、身の安全を保つことができないんだ。

 だから人道というものを尊んで「人道の本源は天にある」といい、天性とも呼んで、これを善とし美とし、大としている。つまりこの道が廃れないことを願うためなんだよ。老子はこの人道の弱点につけこんで、「道の道とすべきは常に道あらず」などと言ったりしたのは無理もないことだが、そうは言うものの、この身体を保つにはやむをえないことなんだな。

 老子は自分自身が米を食い、衣服を着、家に住んでいながら、人道を道でないなどと主張するのは、老子らの失言というべきだろう。それなら「仏教の教えも間違いか」とたずねるかもしれぬが、仏教では、生といえば滅といい。有と説いた一方で無を説き、色即是空といったかと思うと空即是色といったりして、老子や荘子たちの考え方とまた意味が違うんだ。(一八一)

『二宮翁夜話』を読みながら、今日は「自然に行われるものを天理という。これに人為を加えるのを人道という」という一節に心を留めました。

人間は自然の中では非常に弱い存在で、羽毛も牙もなく、たった一日でも飲食を欠くことができません。だからこそ、知恵や工夫で身を守り、社会や生活の仕組みを整えてきた――翁のこの指摘は、経営の場に立つ私にとって大きな示唆となります。

日々の仕事の中で、すべてが思い通りに動くわけではありません。環境や人の流れ、組織の空気、そういった“自然の成り行き”のようなものを無理に変えようとすると、かえって歪みが生まれることもある。だからこそ、まずはその流れをよく観察し、理解し、その上で“人道”をもって少しずつ手を加えていく――この姿勢が必要なのだと感じました。

理想を語るのは簡単ですが、現実に根を下ろし、自分の足で立ち、手を動かして道を切り拓くことが大切なのだと、改めて教えられました。

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読了です。「優秀さ」と「成果の持続性」は別物だということです。どれほど能力の高い人がいても、属人的なやり方に頼っていては、成長も継続性も限界を迎えます。

「自分がやった方が早い」という罠に陥るのではなく、「誰がやっても同じ成果が出せる仕組み」をつくることが、本当の意味での組織づくりなのだと改めて痛感しました。忙しい時こそ立ち止まり、仕組み化の時間を確保する――それが未来を変える第一歩なのだと思います。

今日もはここまでです。

ありがとうございます。

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