第十二夜 人道により文化は進む

咲けば散り散ればまた咲く年ごとに
ながめつくせぬ 花のいろいろ
貧乏なり、どうしようもなくて、売りに出した物を、一方ではこれは安いもんだと喜んで買う者がいる。また、運が悪くなり仕方なく家を売って裏通りへ引っ込めば、その家を買い表通りへ出てめでたいと喜ぶ物もある。絶えずこいういうことがある世の中なんだ。
増減は器傾く水と見よ
こちらに増やせば あちら減るなり
物価の騰貴で大儲けする者もあれば、大損する者もある。損をして悲しむ物あれば、儲かって喜ぶ者もある。苦楽、存亡、栄辱、得失、こちらが増すと、あちらが減るというわけだ。これはみな、自他双方を見ることができない半人足の寄り合い仕事だからなんだ。
食えばへり減ればまた食いいそがしや
永き保ちの あらぬこの身ぞ
屋根は銅板で葺き、倉は石で築くことはできるが、三度の飯を一度に食いだめておくことはできず、やがて寒くなるからといって今から着物をたくさん着ておくということができないのが人間だ。だから永遠に生きることができないのが天命というもんだ。
腹くちく食うてつきひく女子らは
仏にまさる 悟りなりけり
腹いっぱい食べれば眠くなって寝てしまうのは犬猫など心なきものの常の情だな。それを食べ終えるとすぐ明日食うものをこしらえるのは、未来である明日の大切なことをよく悟っているからなんだ。
人間はそれで十分なんだ。これがワシの教えの悟道の極意だよ。
俗に悟りを開いたという者たちの悟りなんか、悟っても悟らなくても、知っても知らなくても、無害、無益のものにすぎん。
我といふ其大元を尋ねれば
食うと着るとの 二つなりけり
人間世界のことは、政治も宗教も哲学も、みなこの二つの安全を図るためにあるんで、そのほかのことはすべて枝葉であり、とりつくろいにすぎんのだぞ。(一一六)
世の中には常に光と影がある。誰かが損をすれば、別の誰かが得をする。運が傾く者がいれば、その傾きを利用して登る者もいる。すべては一方向に流れず、絶えず揺れ動く。こうした循環の中に生きている以上、私たちは「一方の現象」に一喜一憂してはならないのだ。
人間の営みは、結局のところ「食う」と「着る」に集約される。どれほど立派な思想も、どれほど高邁な理想も、この根本を外しては成り立たない。日々を保ち、明日を迎える。この繰り返しの中に、最も確かな真理がある。
悟りとは、何か高遠な境地にあるのではなく、今日を食らい、明日を準備する。その当たり前を、飽きずに、怠らずに繰り返すことにあるのだ。 それが人としての道であり、組織を率いる者の基本の務めでもある。
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これは利用できそうなことが書いてありそうです。
より時間効率を上げるために学ぶ必要があります。
今日もはここまでです。
ありがとうございます。
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