「ハイ」の返事一つに④ 修身教授録抄 姿勢を正して声を出して読んでみた
昔の婦人は、「寝顔は夫に見せぬ」ということが、妻としての大切なたしなみの一つであったといわれていますが、現在こうしたたしなみを失わない女人が、果たしてどの程度にあると言えるでしょうか。なるほどどの家 ・・・
昔の婦人は、「寝顔は夫に見せぬ」ということが、妻としての大切なたしなみの一つであったといわれていますが、現在こうしたたしなみを失わない女人が、果たしてどの程度にあると言えるでしょうか。なるほどどの家 ・・・
谷川の音のきこゆる山のうへに蕨を折りて子らと我が入り 島木赤彦 これも赤彦の歌のうちでは、わたくしの好きな歌のひとつです。これは赤彦としては比較的晩年の歌で、大たい自分の志したことが、ほぼ成し遂げら ・・・
実際だらりと間の延びた返事を、しかも二度三度呼ばれて初めてするようなことでは、まったくその人柄の程が分かるというものです。つまり真面目に事にあたる気持ちのないことは、言わずして明らかだからです。 ・・・
人間の人柄というものは、大体その人が、他人から呼ばれた際、この「ハイ」という返事の仕方一つで、大体の見当はつくと云えましょう。それと申すのも、その人の名前を呼ぶということが、その人の全人格に対する呼 ・・・
あなた方くらいの年配にもなれば、単に受身的にご両親の言いつけに従うというのみでなく、一歩をすすめて、言いつけられない事柄についても、自ら進んでするようであって欲しいと思うのです。一例を申せば、家の戸 ・・・
山鳩の声を聞くときは遠々し父のみ魂のありとし思はむ(於室生)金原省吾 この歌は、わが国の東洋美学の権威たる金原省吾さんが、大和の室生寺を訪ねられた時詠まれたものですが、父親について詠んだ歌としては、 ・・・
その昔道元禅師が、求道のために遥ばる支那に渡って、ある禅寺に入れられた処、一人の年老いた長老の老僧が、炎天下に茸の筵の上に干しているのを見られて「この暑いのに、かような事をご自身でなさらなくても、誰 ・・・