戦勢(せんせい)は奇正(きせい)に過ぎざるも、奇正の変は勝げて窮むべからざるなり。奇正の相生ずること、(兵勢)|2月21日
Release: 2020/02/21 Update: 2020/03/01
戦勢(せんせい)は奇正(きせい)に過ぎざるも、奇正の変は勝げて窮むべからざるなり。奇正の相生ずること、(兵勢)
戦勢不過奇正、奇正之鍵不可勝窮也、奇正相生、(如循環之無端。 孰能窮之。)
「戦闘の勢いというものは、基本的な戦術(正)と敵の思いもよらぬ戦術(奇)の二つに過ぎないが、この正と奇の戦術の変化は限りなくあり窮め尽くせない。この二つの戦術が代わる代わる生じて果てしないのは、(あたかも環(たまき)が連なって尽きないようなものだ。一体誰がその終わりを窮めることができようか!)」
奇正之変とは基本の応用と奇策で無限の変化を生み出すこと、戦術とはそういうものだ。
循環の端無きが如し、孰(たれ)か能くこれを窮めん。
2月21日、孫子・呉子一日一話(兵法に学ぶ人と組織の動かし方365)の言葉です。
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