辞(ことば)卑(ひく)くして備えを益すは、進まんとするなり。辞強くして進駆(しんく)するは、退かんとするなり。(行軍)|4月27日
辞(ことば)卑(ひく)くして備えを益すは、進まんとするなり。辞強くして進駆(しんく)するは、退かんとするなり。(行軍) 辞卑而益備者、進也、辞強而進駆者、退也。 「敵の軍使が口ではへりくだったことをい ・・・
辞(ことば)卑(ひく)くして備えを益すは、進まんとするなり。辞強くして進駆(しんく)するは、退かんとするなり。(行軍) 辞卑而益備者、進也、辞強而進駆者、退也。 「敵の軍使が口ではへりくだったことをい ・・・
塵高くして鋭きは、車の来たるなり、卑(ひく)くして広きは、徒の来たるなり。(行軍) 塵高而鋭者、車来也。卑而広者、徒来也。(散而条達者、樵採也。少而往来者、営軍也。) 「土ぼこりや塵が空高く舞い上がる ・・・
鳥の起つは、伏なり。獣の駭(おどろ)くは、覆なり。(行軍) 鳥起者、伏也。獣駭者、覆也。 「鳥が不意に飛び立つのは、その下に伏兵のいる証拠である。野獣が驚いて走り出すのは、その近くに敵の奇襲部隊がいる ・・・
衆(しゅう)樹(じゅ)の動くは、来たるなり。衆草の障り多きは、疑わしむるなり。(行軍) 衆樹動者、来也。衆草多障者、疑也。 「木々がゆれ動いているのは、敵がやって来る証拠である。草むらに仕掛けがあるの ・・・
敵近くして静かなるは、其の険を恃むなり。遠くして戦いを挑むは、人の進むを欲するなり。(行軍) 敵近而静者、恃其険也。遠而挑戦者。欲人之進也。(其所居易者、利也。) 「敵軍がわが方の(または逆)近くまで ・・・
軍行に険阻(けんそ)・潢井(こうせい)・葭葦(かい)・山林・蘙薈有らば、必ず謹んでこれを副索せよ。(行軍) 軍行有險阻潢井葭葦山林蘙薈者、必謹覆索之。(此伏姦之所處也。) 「行軍の途中に、①険阻な地形 ・・・
凡そ地に絶澗(ぜっかん)、天井(てんせい)、天牢(てんろう)、天羅(てんら)、天陥(てんかん)、天隙(てんげき)有らば、必ずや亟(すみ)やかにこれを去りて、(行軍) 凡治有絶澗天井天牢天羅天陥天隙、必 ・・・
上に雨ふりて水沫(すいまつ)至らば、渉(わた)らんと欲する者は、其の定まるを待つなり。(行軍) 上雨水沫至、欲渉者、待其定也。 「河の上流に雨が降って水嵩が増している時には、渡河しようとする者は、その ・・・
丘陵・隄防には、必ず其の陽に処りて、これを右背にす。此れ兵の利、地の助けなり。(行軍) 丘陵隄防、必処其陽、而右背之。此兵之利、地之助也。 「丘陵や堤防に陣をしく場合には、必ずその日の当る所、すなわち ・・・
凡そ軍は高きを好みて下(ひく)きを悪み、陽を貴びて陰を賤しみ、生を養いて実に処る。(行軍) 凡軍好高而悪下、貴陽而賤陰、養生而処実。(軍無百疾、是謂必勝。) 「そもそも、軍を配置するには高い所がよく、 ・・・