第十九夜 人道を尽くして天道に任す

天道は自然そのものだ。
人道は天道にしたがうけれども、人がこしらえるものさのさ。人道を尽くして、あとは天道に任せるんだ。人道をよく尽くさないのに天道を恨んだりしちゃけんぞ。
庭の落ち葉、天道で、無心に日夜積もる。これを掃除するのは人道だ。しかし掃いてもまた積もる。これに心をわずらわせて、気遣いしながら、一葉落ちるごとに、ホウキをとって立つようでは、塵芥のために使われているようなもんで、愚かななことだなあ。木の葉が落ちるのは天道だが、人道として、毎朝一度履いたらよいことだ。そのあとでまた葉が落ちてもそのまま放っておいて、無心の落ち葉に使われることのないようにすることだな。
一方、人道をゆるがせにして、落ち葉を積もり放題にておくのはいかんぞ。日に一度は掃く、これが人道というものなんだ。
愚人でも悪人でもよく教えてやることだな。教えてやっても聞かないからといって、それに心を労してはいかん。聞かなくても見捨てないで何度でも教えてやるんだな。教えてどのとおりにせんからといって怒るのは、知恵に欠けるぞ。
不仁や不智というもんは、徳を積もうとす者にとって、いちばん恐れることなのさ。仁と智の二つを心掛けて、自分の徳というものを完全なものにしていくことだな。(一八二)
落ち葉を前にした喩えが、こんなにも深い学びをくれるとは思いませんでした。
自然に積もる落ち葉は、まさしく「天道」。私たちにどうすることもできない流れや現象を指しています。そこに手を尽くすのが「人道」。たとえ毎日葉が落ちても、一度掃くという行いで十分――その言葉には、どこか安らぎがあります。
日々の営みの中には、どれだけ手を尽くしても終わりの見えないことがたくさんあります。全てを完璧にしようとして心をすり減らすよりも、なすべきことを丁寧にやり、あとは天に任せる。そんな潔さと柔らかさを教えられた気がします。
また、教えを受け入れない人に対しても、怒らず、見捨てず、繰り返し手を差し伸べるべしと説かれています。それは、成果よりも徳を重んじる態度の表れであり、教える側の「在り方」を問う言葉でもあるように思います。
変化に振り回されず、やるべきことを淡々と行いながら、関わる人にも温かなまなざしを向けていく。そんな日々を積み重ねていきたいと感じました。
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なかなか読みおわりませんね~
今日もはここまでです。
ありがとうございます。
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