2025年6月の記事

第二十九夜 草の彼岸

二宮尊徳 2025/06/03公開

 彼岸という文字は「梧窓漫筆」(太田元貞著、学芸道徳に関する随筆集)という本によれば、もとは儒書から出たもんだと書いてある、という学者がいたのでワシはこう言ってやったんだよ。  「文字の出所はよく知ら ・・・

第二十八夜 一草から万里を解く

二宮尊徳 2025/06/02公開

 この世のすべてのことは、みんな一つの道理によって貫かれてるんだ。一つに草を例にひいてこの道理を説明してみよう。  儒教の書物(中庸)に「この本は、はじめは一つの道理について説明し、中ごろでは広く各方 ・・・

第二十七夜 家格や富は祖先のお蔭

二宮尊徳 2025/06/01公開

 下館候(下館藩主、いまの茨城県下館)の宝物倉が火事となり、大切な宝物の天国の剣が焼けてしまった。  役人が城下の富商中村という者に「こんなに焼けてしまったが当家第一の宝物なのでよく研いで白鞘にして倉 ・・・