命に非ざることなきなり|10月6日のことです。
命に非ざることなきなり
命に非ざることなきなり。(中略)其の道を尽して死する者は正命なり。桎梏して死する者は正命に非ざるなり。(尽心上二章)
めいにあらざることなきなり。(中略)そのみちをつくしてしするものはせいめいなり。しっこくしてしするものはせいめいにあらざるなり。(じんしんかみにしょう)
【訳】
(人生における吉凶禍福は全て)天命でないものはない。(中略)人間として行なうべきことを全て尽して死ぬのは、(いわゆる人事を尽して天命をまつ)正しい天命である。罪を犯し、手かせ足かせをされて獄死するのは。正しい天命ではない。
〇松陰は、「世間の人々は、天命といえば天に心があり、人の行いの善悪によって吉凶禍福が降されると思っているが、これは間違いである。人の力で招こうとしないでも、向うからやってくるもので、人の力ではどうすることもできないことであるから命というのである。しかし、命だからといって何もしないということも間違っている。自分の行うべきことをせず、道を尽していないからである。また、道義を実践し、その結果、禍罪(禍に遭ったり、罪に陥ること)にあうのは、行うべき道を尽くした極地である。だいたい、人は道義以外に行くべきところはない。道義を尽くして禍罪にあうのは、自分の意志ではない。これは、自然にそうなっていくものといってよい。私共はこの問題をしっかり考えなければならない」と記している。
10月6日、孟子一日一言の言葉です。
松陰の言葉は幕末の世の中を感じる文章です。
しかし、これくらいの言葉をもっているからこそたくさんの人に響くし、今になっても新しい感じさえします。
道義以外に人の行きべきところはない。
いつでも自分が道義に反していないかどうかを考えることが大事ですね。
普通の人間はすべてを道義に反しない生き方などとてもできるわけではありません。
腹も立つし欲にも負ける。
でも、どうかなと考えることはできます。
道義に反すれば自分を傷つける。
今日も一日がんばります。