軍の擾(みだ)るるは、将の重からざるなり。(行軍)|5月4日
軍の擾(みだ)るるは、将の重からざるなり。(行軍) 軍擾者、将不重也。 「軍に秩序がなく、統制を欠いて乱れているのは、指揮官が無能で威厳が備わっていない証拠である」”将”とは将軍のこと。ここではその部 ・・・
軍の擾(みだ)るるは、将の重からざるなり。(行軍) 軍擾者、将不重也。 「軍に秩序がなく、統制を欠いて乱れているのは、指揮官が無能で威厳が備わっていない証拠である」”将”とは将軍のこと。ここではその部 ・・・
夜呼ぶは、恐るるなり。(行軍) 夜呼者、恐也。 「夜になって、敵軍が大声で呼び交わす声が聞こえるのは、敵がなにかにおびえているからである」夜中に敵が大声を出して呼び合っているのには、さまざまな理由が考 ・・・
鳥の集まるは、虚しきなり。(行軍) 鳥集者、虚也。 「敵軍の上に鳥がむらがっているのは、陣を張っているように見せかけているが、実はすでに軍を引き払っており、そこには敵がいない証拠である」”虚”とは中身 ・・・
利を見て進まざるは、労るるなり。(行軍) 見利而不進者、労也。 「有利なものを見つけても、それを得ようと進んで来ないのは、敵が疲労しきっている証拠である」『孫子』の火攻篇に”利を非ざれば動かず”という ・・・
杖つきて立つは、飢(う)うるなり。汲みて先ず飲むは、渇(かつ)するなり。(行軍) 杖而立者、飢也。汲而先飲者、渇也。 「敵の将兵の中で、杖をついている者が多いのは、兵糧が不足していて、敵兵が飢えて体が ・・・
奔走して兵車を陳(つら)ぬるは、期するなり。半ば進み半ば退くは、誘うなり。(行軍) 奔走而陳兵車者、期也。半進半退車、誘也。 「敵軍の動きが右往左往してあわただしく、その上、戦車を連ねているのは、敵が ・・・
軽車先ず出でて其の側(かたわら)に居るは、陣するなり。約無くして和を請(こ)うは、謀るなり。(行軍) 軽者先出居其側者、陣也。無約而請話者、謀也。 「戦車を先頭に立てて、その両側に兵士を配置して守りを ・・・
辞(ことば)卑(ひく)くして備えを益すは、進まんとするなり。辞強くして進駆(しんく)するは、退かんとするなり。(行軍) 辞卑而益備者、進也、辞強而進駆者、退也。 「敵の軍使が口ではへりくだったことをい ・・・
塵高くして鋭きは、車の来たるなり、卑(ひく)くして広きは、徒の来たるなり。(行軍) 塵高而鋭者、車来也。卑而広者、徒来也。(散而条達者、樵採也。少而往来者、営軍也。) 「土ぼこりや塵が空高く舞い上がる ・・・
鳥の起つは、伏なり。獣の駭(おどろ)くは、覆なり。(行軍) 鳥起者、伏也。獣駭者、覆也。 「鳥が不意に飛び立つのは、その下に伏兵のいる証拠である。野獣が驚いて走り出すのは、その近くに敵の奇襲部隊がいる ・・・