第四十五夜 貸借も相手の立場で考える

「私は借金が千円あるんですが、貸し金も千円あります。どうしたらいいでしょう」という者があったので、ワシはこう答えてやった。
「これは大変おもしろいことだ。あんたが借り方に向かって言う気持ちで貸してあるものに話し、貸してるほうに言う気持ちで借りてるほうに談判するとよい。そうすれば両方うまくいくだろうよ」と。(続一四)
「借金が千円、貸金も千円ある。どうしたらよいか」という問いに、二宮翁は「借りている相手には貸しているように話し、貸している相手には借りているように話せ」と答える。
一見、奇妙なこの教え。しかしこれは、物事を一方からだけ見るのではなく、双方の立場に立ち、柔軟に調整し解決策を探る知恵だと感じる。経営においても同じ。仕入れ先にも、販売先にも、それぞれの立場を理解し調和を図ることで、結果として会社全体がうまく回っていく。
物事の本質は、表と裏、貸しと借りのように、一体である。そこに気づけば、行き詰まりも柔らかくほどけるのだろう。
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