善く戦う者は、これを勢いに求めて、人を責めず。故に能く人を択てて勢いに任ず。(兵勢)|2月25日
Release: 2020/02/25 Update: 2020/03/01
善く戦う者は、これを勢いに求めて、人を責めず。故に能く人を択てて勢いに任ず。(兵勢)
故善戦者、求之於勢、不責於人、故能揮人面任勢。
「いくさ上手は、なによりも戦闘に勢いを求め、兵士一人一人の戦闘能力には過度の期待をかけない。それ故、個々の力をあてにしないで軍全体の勢いに乗ることができるのである」
択(たく)とは元来選ぶという意味であるが、これは釈(しゃく)誤記であり、「捨てる」とすべきだという解釈が伝統的である。この説にしたがい、”択(す)てると訓じた。
戦闘では、兵士個々の能力よりも全軍が勢いに乗ることを重視すべきだ、と説いている。
2月25日、孫子・呉子一日一話(兵法に学ぶ人と組織の動かし方365)の言葉です。
関連コンテンツ
能く士卒の耳目を愚して、これをして知ること無からしむ。(九地) 能愚士卒之耳目、使之無知。(易其事、革其謀、使人無職。易其居、迂其途、使人不得慮。) 「兵士たちが判断に誤るようにさせ、将軍のなすことを…
善く兵を用うる者は、役、再籍(さいせき)せず、糧、三載(さんさい)せず、用を国に取り、糧を敵に因る。(作戦) 善用兵者、役不再籍、糧不三載、取用於国、因糧於敵。(故軍食可足也) 「いくさ上手なリーダー…
我以て往くべく、彼を以て来るべきもの、交地と為す。(九地) 「わが軍も攻め入ることができるし、敵軍もやって来ることのできる地域を交地という」”交地”とは、かんたんにいえば、敵も味方もたやすく進攻できる…
諄々翕々(じゅんじゅんきゅうきゅう)として徐(おもむろ)に人の言うは、衆を失えるなり。(行軍) 諄諄翕翕徐与人言者、失衆也。 「将たる者が、ぼそぼそと猫なで声で話しかけたり、ご機嫌をとうように静かな口…
軍争は利たり。軍争は危たり。軍を挙げて利を争えば、則ち及ばず、(軍争) 軍争為利。軍争為危。挙軍而争利、則不及、(委軍而爭利、則輜重捐。) 「戦闘によって勝利を得れば、戦局は有利になるが、反面、危険も…