本心を失ふ|8月20日のことです。
Release: 2018/08/20 Update: 2018/08/20
本心を失ふ
郷には身死するが為めにしてすら受けず、今は妻妾の奉の為にして之れを為す。(中略)是れ亦以て已むべからざるか。此れを之れ其の本心を失ふと謂う。(告子上十章)
さきにはみしするがためにしてすらうけず、いまはさいしょうのほうのためにしてこれをなす。(中略)これまたもってやむべからざるか。これをこれそのほんしんとうしなうという。(こうしかみじゅっしょう)
【訳】
以前はたとえ自分が死ぬようなことになっても無礼な食べ物は受け取らなかったのに、今は妻や愛人を豊かにしたいがために、(恥も外聞もなく、ありがたがって)受け取る。(中略)これは果たしてやむにやまれないことであろうか。これこそ(欲望に目がくらんで)人間本来の良心を失うということである。
8月20日、孟子一日一言の言葉です。
自分や自分の周りの人のためだけに金品などを受け取る。
そういう意味合いでしょうか。
自分や周りの人だけに利益がある。きっと賄賂のようなもの。表に出せないもの。
良心があるのならばすぐにいいか悪いかは多少感じられることです。
そんな時にしっかり断れる勇気をもてるでしょうか。
そういう勇気を持ちたいものです。
今日も一日がんばります。
関連コンテンツ
父も得て子とせず 書に曰く、載を紙みて瞽瞍に見ゆ、虁々として斉栗す、瞽瞍も亦允とし若へりと。是れを父も得て子とせずと為す。(万章上四章) しょにいわく、ことをつつしみてこそうにまみゆ、ききとしてせいり…
子、長者を絶つか 子、長者を絶つか。長者、子を絶つか。(公孫丑下十一章) し、ちょうしゃをたつか。ちょうしゃ、しをたつか。(こうそんちゅうだいじゅういっしょう) 【訳】 あなたの方からこの年寄り(孟子…
百姓親睦す 死徙郷を出づるなく、郷田井を同じうし、出入相友とし、守望相助け、疾病相扶持すれば、則ち百姓親睦す。(滕文公上三章) ししきょうをいずることなく、きょうでんせいをおなじうし、しゅつにゅうあい…
朋友の道 善を責むるは朋友の道なり。父子善を責むるは恩を賊ふの大なるものなり。(離婁下三十章) 【訳】 善を責め合うのは、朋友の間の道である。親子で善を責めるのは、もっとも親子恩愛の情をそこなうもので…
己れを枉ぐる者に未だ能く人を直くする者あらざるなり。(滕文公下首章) おのれをまぐるものにいまだよく人をなおくするものあらざるなり。(とうぶんこうしもしゅしょう) 【訳】 自分が不正を行っているような…