耳の観景|11月3日のことです。
Release: 2018/11/03 Update: 2018/11/03
耳の観景
わび茶の道は、味覚の世界だとばかり考えたら甚だ浅い。釜のにえ音に、夜雨を聞き、松籟(しょうえん)を聞き、露地に滴(したた)る打水の音、軒端の梢(こずえ)をわたる風の声、さては、静寂の極まりに音なき天地のさざめきを聞いたのである。左大臣橘諸兄の山荘の池庭は、そこに鳴く蛙のい声によって名苑として伝えられておる。
秋津島大和の国の美しさの精髄は、色や形のみにありと考えてはならぬ。鳥の歌、虫のささやき、風の音、水の声の、おやみなきより響き集いかねでる耳の観景にある。
11月3日、丸山敏雄一日一話幸せになるための366話、今日の言葉です。
耳で感じる景色というのもたしかにありますね。
旭川では冬のしばれる時期は音で寒さを感じます。
雪のきしむ音。
もうすぐ雪が積もりますがしばれる時の雪の音がまた格別に感じます。
今日一日朗らかに安らかに喜んで進んで働きます。
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