故に、兵は拙速(せっそく)を聞くも、未だ巧(こう)の久しきを睹(み)ざるなり。(作戦)|1月15日
Release: 2020/01/15 Update: 2020/01/18
故に、兵は拙速(せっそく)を聞くも、未だ巧(こう)の久しきを睹(み)ざるなり。(作戦)
故兵聞拙速、未睹巧之久也。(夫兵久而国利者、未之有也。)
「したがって、短期決戦に出て成功した例は聞いたことがあるが、長期戦にもちこんで成功した例は見たことがない。(そもそも、いくさが長引いて国家に利益をもたらしたことなんて、今まで一度もないのだ)」
”兵は拙速に聞く”は『孫子』の戦術の特長。短期決戦は『孫子』の十八番で、ダラダラと戦いを長びかせるのは、この兵法の最も忌み嫌う作戦である。かっこ内は、夫れ兵久しうして国に利あるは、未だこれ有らざるなり。と訓ずる。
1月15日、孫子・呉子一日一話(兵法に学ぶ人と組織の動かし方365)の言葉です。
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